抽出実験① ~ブリューレシオと挽き目の影響~

ドリップ実験

— ブリューレシオと挽き目の基礎実験 —

はじめに

このブログでは、ハンドドリップコーヒーの抽出条件を
科学的・技術的な視点で整理し、定量的に確認することを主題としています。

今回はその第一歩として、
ブリューレシオと挽き目という基本的な2要素が
抽出結果にどのような違いをもたらすのかを、
TDSとpHの測定を通じて確認してみました。

味わいについても簡単に触れますが、
あくまで主目的は「条件と結果の関係」を把握することです。


実験条件

環境条件

  • 室温:20.6℃
  • 湿度:42%RH
    ※家庭環境のためコントロールしていませんが条件を明示する意味合いで記載しておきます。

共通条件

  • 豆:スターバックス クリスマスブレンド
  • 豆量:12 g
  • ミル:TIMEMORE C2
  • ドリッパー:HARIO V60
  • 抽出温度:93℃
  • 抽出方法:
    • 5回投入
    • 各投入30秒間隔
    • 抽出完了 2分30秒

※抽出は、完全に落ち切る前に2分30秒で切り上げています。


変数設定

項目水準
ブリューレシオ15 / 18
ミルクリック数18 / 24

合計4条件を設定し、各条件で抽出を行いました。


実験結果

抽出液の測定結果

水準No.Brew ratioクリック数TDS (%)屈折率pH
115181.761.336115.11
218241.461.335574.95
315241.571.335754.93
418181.601.335814.94

抽出後の残液測定

今回の抽出では、すべての条件で抽出時間を 2分30秒 とし、
流量が残っている場合でも、その時点でドリッパーを外して抽出を終了した。

そのため、ドリッパーを外した後も、
ベッド内部にはまだ液体が残っている状態となる。
実際には、その後しばらくの間、滴下が続く条件もあった。

今回はこの「落ち切りまでの間に滴下した液体」を
別皿で受けて保管し、参考値としてTDSを測定してみた。

水準No.残液TDS (%)屈折率
10.761.33433
20.861.33450
30.961.33469
40.691.33432

※残液測定についての詳細な考察は、別記事で扱う予定です。


結果から見える傾向

  • 抽出液のTDSは 1.46〜1.76% と比較的近い範囲に収まった
  • 同程度のTDSでも、
    • 挽き目が細かくブリューレシオが低い条件
    • 挽き目が粗くブリューレシオが高い条件
      が存在する
  • 一方で、残液のTDSには条件間で明確な差が見られた

この点については、
「抽出の進み方」や「どの成分がどの段階で溶出しているか」
という視点で整理する必要がありそうです。


味わいについての所感(参考)

味わいについては簡単な所感に留めます。

  • クリック数18 × ブリューレシオ15:
    苦味が強く、やや過抽出寄りの印象。
  • クリック数24 × ブリューレシオ18:
    薄く、物足りなさを感じる。抽出不足寄りの印象
  • 今回の条件の中では
    • クリック数18 × ブリューレシオ18
    • クリック数24 × ブリューレシオ15
      が比較的バランスが良かった

ただし、これら2条件の違いについては、
複数サーバーで同時比較しないと明確なコメントは難しい、
というのが正直なところです。


今回の位置づけと次回に向けて

今回は、
ブリューレシオと挽き目という基本条件を整理した上で、
抽出結果を定量的に確認する
ことを目的としました。

なお、結果を見ながら感じている点として、
今回使用した豆に対しては抽出温度93℃がやや高めだった可能性も考えられます。
ただし本記事ではあくまでブリューレシオと挽き目の影響度について評価することが目的なので温度を固定条件としており、この点については今後の検証課題とします。

次回は、今回測定した残液TDSに着目し、
抽出を途中で切り上げることが何を意味するのかを、
もう少し踏み込んで整理してみたいと思います。

それではまた!

測定項目についてはこちらを参照↓

TDS(Total Dissolved Solids)とはpH(Potential Hydrogen)とは

使用した器具についてはこちらを参照↓

使用器具・抽出環境計測器具・測定環境

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