はじめに(検証のきっかけ)
前回の記事で、メリタの台形ドリッパーは
挽き目を細かくしても抽出時間が極端に延びにくいのではないか
という印象を持ちました。
いわゆる「目詰まり耐性が高いのでは?」という仮説です。
そこで今回は、
- 挽き目をメーカー推奨より大きく外した「極細挽き」領域まで振る
- 抽出時間・TDS・収率・残液TDSを確認する
という形で、
「目詰まりが顕在化するかどうか」を改めて確認してみました。
*前回記事はこちら メリタドリッパーに合う抽出条件とは?
実験条件
共通条件
- 使用豆:グアテマラ SHB ウエウエテナンゴ Mild
- ミル:1Zpresso K-Ultra
- 抽出温度:94℃
- 豆量:8g
- ブリューレシオ:1:17
- 投数:2投
- 蒸らし時間:30秒
使用ドリッパー
- メリタ 1×2
- ハリオ V60(比較用)
実験データ
| No | ドリッパー | クリック数 | 時間 | TDS | 収率 | 残液TDS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | メリタ | 80 | 1:25 | 0.90% | 13.8% | 0.91% |
| 2 | メリタ | 80 | 1:28 | 1.15% | 17.7% | ― |
| 3 | メリタ | 70 | 1:30 | 1.23% | 18.9% | 1.11% |
| 4 | メリタ | 60 | 1:40 | 1.36% | 20.9% | 1.15% |
| 5 | メリタ | 50 | 1:40 | 1.42% | 21.8% | ― |
| 6 | V60 | 60 | 1:40 | 1.35% | 20.8% | 1.30% |
※ K-Ultraの推奨レンジはおおよそ 80〜90クリック
50クリックはかなり細かい設定です。

結果の整理
メリタでは、かなり細かくしても明確な目詰まりは起きなかった
- クリック数を80 → 50まで細かくしても
抽出時間は最大で1:40程度 - 流れが止まる、極端に不安定になるといった挙動は見られず
- TDS・収率は挽き目に応じて素直に上昇
少なくとも今回の条件では、
「細かくするとすぐ詰まる」という挙動は確認できませんでした。
ただし、ハリオV60でも詰まらなかった
やはりメリタは目詰まりに強いのかと思って、確認のためにハリオ V60で比較のため同様の条件を試しましたが、
- 抽出時間:1:40
- TDS・収率:ほぼ同等(60クリック同士で比較)
という結果になりました。
つまり、
「メリタだけが特別に目詰まりしにくい」
とまでは、
今回のデータからは言い切れません。
なぜ今回は差が出なかったのか?(考察)
今回の結果から考えられる要因はいくつかあります。
① 豆量が少ない(8g)
粉層が浅く、
- 水頭圧が小さい
- 微粉が押し固められにくい
という条件のため、
目詰まりが起きにくい状態だった可能性があります。
② K-Ultraの粒度分布の影響
K-Ultraは、
- 微粉が少ない
- 粒度分布が比較的きれい
という特徴があり、
細挽きでも流路が完全に塞がれにくい可能性があります。
③ 豆の特性
今回使用したグアテマラSHBは、
- 硬めで
- 微粉が出にくい傾向
の豆です。
別の豆(深煎り、古豆など)では
結果が変わる可能性も十分に考えられます。
④ 投数が2投であること
連続注湯ではなく、
- 一度流れが落ち着く
- 流路がリセットされやすい
という点も、
目詰まりが起きにくかった要因かもしれません。
現時点での結論(暫定)
今回の検証から言えることは、
- メリタは極端に目詰まりしやすいドリッパーではなさそう
- ただし
「メリタはV60より明確に目詰まりしにくい」とまでは言えない
という、やや控えめな結論になります。
むしろ今回の結果は、
目詰まりは
ドリッパー単体ではなく
「粉量・ミル・豆・注湯条件」との組み合わせで起きる現象
であることを改めて示しているように思います。
今後の課題
次に検証するとしたら、
- 豆量を増やす(15g〜20g)
- 別ミルで同様の実験を行う
- 投数を増やす(連続注湯)
といった方向で、
「詰まる条件」を作りにいく実験が必要だと感じています。
おわりに
今回は、前回記事 メリタドリッパーに合う抽出条件とは?
の検証中に感じた、
「メリタは目詰まりしにくいのでは?」
という仮説に対して、
完全な肯定も否定もできない結果となりました。
ただ、
「思ったほど単純な話ではない」
ということが分かっただけでも、十分に収穫はあったと思います。
引き続き、
道具や条件を変えながら少しずつ整理していく予定です。
それではまた!


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