このブログでは、ハンドドリップコーヒーの抽出条件を科学的・技術的な視点から整理し、
「条件を変えたときに何が起こるのか」をデータとともに考えていきます。
ただし、その前提として押さえておきたいことがあります。
それは、家庭で行うコーヒー抽出には多くの制約条件があるという事実です。
家庭抽出では「理想条件」の再現は困難
プロの現場や競技会では、
- 安定した水質
- 高精度な温度制御
- 粒度分布を管理できるミル
- 環境条件が揃った抽出スペース
といった条件が整えられています。
一方、家庭ではどうでしょうか。
- 水は水道水や市販水でばらつく
- 湯温は注湯中に変動する
- ミルの粒度分布は完全には揃わない
- 忙しい時間帯では操作も簡略化される
これらは技量の問題ではなく、環境そのものの制約です。
家庭抽出では、すべてを完全に制御することは現実的ではありません。
それでも「操作できる変数」は存在する
制約が多いからといって、すべてが感覚任せになるわけではありません。
家庭でも比較的コントロールしやすい要素として、
- 挽き目
- 粉量と湯量の比率
- 抽出時間
- 投湯の仕方
といった変数があります。
本ブログでは、これらの要素が
どの方向に、どの程度影響を及ぼすのか
を整理していきます。
重要なのは「完璧に揃えること」ではなく、
変えたときに起こる変化を理解することです。
すべてにこだわる必要はない
家庭でコーヒーを淹れる場面は一つではありません。
- 朝の忙しい時間に淹れる一杯
- 気分転換にゆっくり淹れる一杯
- 条件を揃えて検証したい一杯
常に最高条件を目指す必要はありませんし、
それが正解だとも思っていません。
だからこそ、
- 外してはいけないポイント
- 妥協しても大きく崩れないポイント
を切り分けることに意味があります。
これは、限られた条件の中で
再現性と自由度を両立させるための考え方です。
このブログの立ち位置
このブログが目指しているのは、
- 究極の一杯を提示すること
- 誰かの好みに誘導すること
ではありません。
ご自身で淹れたコーヒーを飲んでみて、
「次は、どこをどう調整すればいいだろう?」
と感じたときに、
その判断材料になる情報を提供することを目的としています。
抽出条件を
「感覚」ではなく
操作と結果の関係として捉えることで、
家庭でも再現性のあるドリップが可能になると考えています。
制約を理解することが、自由につながる
制約条件を把握することは、
選択肢を狭めることではありません。
むしろ、
- ここは気にしなくていい
- ここは丁寧に扱うべき
という判断ができるようになることで、
コーヒーはもっと自由に、もっと気楽に楽しめるようになります。
この記事で記載した考え方は、ものづくりにおける量産設計で重視される「ロバスト性」という概念に近いものです。
条件のばらつきがあっても結果が大きく崩れない設計思想は、家庭でのコーヒー抽出にもそのまま当てはめることができると考えています。
このブログでは、そうした視点を共有しながら、
ハンドドリップコーヒーの抽出を探求していきたいと思います。
それではまた!
当ブログの考え方についてはこちらも参照 ブログコンセプト / Concept


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